合理的にあり得ない 探偵・上水流涼子の解明
あそこのワル、追い詰めるよ
2023年
- エピソード
- 作品詳細
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第1話 合理的にあり得ない
かつて多くの事件を担当する敏腕弁護士だった上水流涼子(天海祐希)は、ある傷害事件をきっかけに弁護士資格を剥奪され、現在はIQ140の相棒・貴山伸彦(松下洸平)とともに、自身で『探偵事務所 上水流エージェンシー』を営んでいる。ある日、不動産ブローカーの神崎恭一郎(高嶋政伸)に、所有する土地と工場を汚いやり口で奪われ、夫を自殺に追い込まれたという女性がやって来る。契約上何も問題がないことから、警察に取り合ってもらえなかった女性は、涼子が提示する破格のギャラを払ってでも夫の無念を晴らしたいと言い、その覚悟を知った涼子は神崎の身辺調査を開始する。涼子は、秘書をはじめ複数の愛人を囲う神崎の不倫の証拠をつかみ、買い取らせようとするも失敗。そこで、涼子と貴山が選んだ“あり得ない手段”とは―。
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第2話 心情的にあり得ない
涼子(天海祐希)が弁護士資格を剥奪された傷害事件以来、関係を断絶された元顧問先の諫間グループ社長・諫間(仲村トオル)から突然仕事の依頼が入る。事件当時、真っ先に手のひらを返した諫間は、涼子の殺したいリストナンバーワン。それでも、涼子はひとまず諫間の元へ。依頼は、行方不明になっている娘の久実(白石聖)を探してほしいというものだった。早速、久実の周辺を探ると、六本木のクラブに出入りし、謎の女・円谷エリ(早見あかり)と広瀬リアム(猪塚健太)の2人と行動を共にしていることがわかる。不良に絡まれていたのを助けられ、さらにリアムから甘い言葉をささやかれた久実は2人を疑う様子は全くない。しかし、それこそが2人の手口でその末路はあまりに悲惨なもので…。涼子は久実を救出するため、ある作戦を思いつく。
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第3話 確率的にあり得ない
依頼者は建設会社の社長だった夫が2年前に他界した本藤朝子(神野三鈴)。後を継いだ息子の仁志(笠原秀幸)は決断力に乏しく、近頃は高円寺裕也(高橋克実)という怪しげな予知能力者を頼っているという。その息子の目を覚ましてほしいという依頼だった。仁志が高級クラブで高円寺と会うことを知った涼子(天海祐希)は、ホステスに扮して店に潜入。高円寺を挑発すると、自らの予知能力を見せると言い出し、店に入ってくる客の素性を次々に言い当てる。その能力にすっかり魅了された仁志は、高円寺を自社の経営コンサルタントに据えようとする。何とかトリックを見破ろうとするが、おおよそ仕込みとは思えない予知能力を前に、涼子と貴山(松下洸平)はなすすべもなく―。
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第4話 生理的にあり得ない
ある日、久実(白石聖)が事務所で某有名美容クリニックのナース服を発見。最初の依頼で使ったらしいが、涼子(天海祐希)にとっては思い出したくない過去のようで…。8カ月前、探偵事務所を立ち上げた涼子の元へ、依頼者・西田真紀(市川由衣)がやってきた。額のあざを消すため、メディアで話題の美容家・愛原樹里亜(水野美紀)が院長の美容クリニックで施術を受けるが、半年後、一度は消えたあざがひどくなったという。あざを元に戻すための整形費用を樹里亜から奪いたいという。やがて、樹里亜が若くてイケメンの秘書を探していることが判明。その矢先、涼子は道端で猫を探すさえない見た目の青年と出会う。それこそが、後にバディとなる貴山(松下洸平)だった。貴山は涼子の想像をはるかに超える頭脳の持ち主で秘書になることに成功する。
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第5話 現実的にあり得ない
依頼人の自殺という悲しい幕切れが、涼子(天海祐希)と貴山(松下洸平)の胸に大きなしこりを残した8カ月前の依頼。その当事者である因縁の相手・愛原樹里亜(水野美紀)が、殺害予告ともとれる脅迫状が届いたと助けを求めてやって来る。反省のかけらもない樹里亜の態度に、涼子は依頼を断るが、結局、高額な報酬を前に依頼を引き受けることに。しかし、その胸にはある思いがあった―。樹里亜が脅迫状の一件を公にすると、人混みの中から作業服姿の男が樹里亜に向かって罵声を浴びせる。その風貌から、男が自殺した西田真紀(市川由衣)の元婚約者・滝本悟志(小久保寿人)ではないかと考えた涼子は、貴山と久実(白石聖)を使って、滝本にある揺さぶりをかける。すると、真紀が自殺した当時の状況について、新たな事実が判明し―。
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第6話 存在的にあり得ない
6年前、アメリカで暮らす貴山(松下洸平)のもとに届いた母と妹の死の知らせ。2人は就寝中、家に火をつけられ殺害された。警察によると、犯人は父・勇作(小林隆)の可能性があるという。しかし、自らも火事に巻き込まれた勇作は植物状態に。涼子(天海祐希)もまた、貴山の過去を秘密裏に知り…。ある日、夫の死の真相を調べてほしいという女性が上水流エージェンシーにやって来る。その女性によると、夫は死の直前、社長に殺されるかもしれないとおびえていたという。夫が勤めていた八雲建設の社長・八雲治(浅野和之)は、慈善家として知られる一方、美食家としても有名で贅沢三昧な日々に涼子らは嫌悪感を抱く。やがて、八雲が、外務副大臣の増本幸次郎(石黒賢)と会食することを突き止めた涼子たちは、何やらきなくさい空気を感じて―。
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第7話 計画的にあり得ない
ある日、有名なインテリアコーディネーターの石原歩美(酒井若菜)とその夫・啓士(山崎樹範)から依頼のメールが届く。一人娘が誘拐され、身代金の要求はないが、警察に通報したら殺すと脅迫されているという。そのうえ、家のいたるところに監視カメラが仕掛けられていて、夫婦の行動や会話は犯人に筒抜けらしい。動物病院のスタッフに扮した涼子(天海祐希)と貴山(松下洸平)は、石原家に潜入。何とか犯人の目が届かない場所を探そうと家中を見て回ると、唯一、監視カメラが設置されていない部屋があり…。そんな中、犯人から「イマスグ、ホームパーティーヲシロ」という指令が。犯人の指示に従い石原家に集められたのは、この日が初対面だというメンバー。自らもパーティーに潜入した涼子は、ある人物の行動から、思わぬ事実に気がついて―。
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第8話 恋愛的にあり得ない
丹波(丸山智己)は居酒屋で、かねてから思いを寄せる涼子(天海祐希)が見知らぬ男と親しげに話している姿を目撃し、ショックを受ける。久実(白石聖)と貴山(松下洸平)に相談すると、久実は涼子に彼氏ができたのではないかと言い出し…。涼子によると、一緒にいたのは高校の後輩・新藤達也(眞島秀和)で、恋愛感情はないことを断言するが、丹波は貴山に2人の関係を調べてほしいと依頼する。数日後、貴山と久実が尾行すると、涼子はいつもとは違う女性らしい服装で新藤と恋人同士のような時間を満喫していた。涼子の楽しそうな表情に、胸のざわつきを覚える貴山。しかし、芽生えた感情の正体が分からないまま、さらに新藤の素性を調べていく。ある晩、涼子との食事を楽しんだ新藤を尾行した貴山は、彼が帰宅した家を見て違和感を抱き―。
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第9話 親子的にあり得ない
弁護士資格を剥奪される原因となった傷害事件について、何とかして当時の記憶を呼び覚ましたい涼子(天海祐希)は、自らの拳が血に染まるまで殴り続けた相手、椎名保に謝罪するべく、下町の小さなレンズ工場を訪れる。事務所に戻ると、10歳の息子の親権を取り戻したいという澤本香奈江(入山法子)が待っていた。息子の直人は、5年前に離婚した元夫で整形外科医の安生健吾(高橋光臣)と暮らしており、裁判費用を工面することが難しかった香奈江は、今まで泣き寝入りしてきたという。香奈江の話では、安生には離婚前から女性の影があったといい、涼子はその真相を突き止めるため、患者のふりをした久実(白石聖)を安生のクリニックへ送り込む。その頃、貴山(松下洸平)の周囲には不穏な空気が漂い始めていた。
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第10話 絶対的にあり得ない
突如、涼子(天海祐希)のスマホに送られてきた謎の動画。そこには、うつろな表情をした涼子の様子が映っていた。映像の中のある言葉で、涼子の脳裏に椎名(野間口徹)を殴ったあの日の記憶が鮮明によみがえる。真実にたどり着くため、涼子はある人物の元を訪ねる。一方、貴山(松下洸平)の前に再び氷川(阿部亮平)が姿を現す。かつての仲間を真っ向から拒絶するが、氷川がおとなしく引き下がるはずもなく、仕事を手伝えと交換条件をつけて脅しをかけてくる。改めて動画を見ていた涼子は、映像の中に、見覚えのあるものを発見する。その手がかりから、かつて自分の後輩だった弁護士に行き着くと、8カ月前の知らなかった事実が明らかになって―。
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第11話 (最終話) 人間的にあり得ない
弁護士だった当時、涼子(天海祐希)に催眠をかけるよう依頼し、法曹界から追放したのは諫間(仲村トオル)だった。理由が分からず、納得できない涼子だったが、諫間が負債を抱えた技術系の小さな会社と合併しようと躍起になり、それに反対してもめたことがあったと思い出す。しかし、顧問弁護士として会社を支え、信頼関係を築いていたことから、その程度のことで諫間が自分をおとしめるはずがないと話す涼子。いくら考えても理由が分からず、もはや本人に聞くしかないと意を決した涼子は、貴山(松下洸平)を連れて諫間の元へ向かう。嘘であってほしいと願う涼子に、諫間は驚くべき言葉を口にして…。父親の非情な仕打ちを知ったとき、娘の久実(白石聖)が選ぶ道とは。涼子と貴山、最強バティ最後の闘いが始まる―!