作品詳細

冴えない中年の会社員・佐々木一郎(平田満)は、ある日、幼馴染だった岡部(伊藤猛)の訃報を聞いた。家を訪ね、冷たくなった岡部の顔に触れると４７年前の生々しい記憶が蘇ってきた。一郎は初恋の相手・サチ(桐嶋あおい)の体から露わになった腋毛の衝撃を思い出す。死の直前、岡部は一郎に留守電を残していた。そこに吹き込まれたメッセージとは、岡部だけが知っていた哀しい事件の真相と、自分もサチに恋していたという独白だった。いつも自分の欲しいものを一人占めしてしまう岡部に対して、そして何も出来ない自分自身に対して、一郎はやり場のない感情を募らせていった。一方で、「欲しいものは手を伸ばさないとつかめない」という若い娘・春(水本佳奈子)と出逢う。春との交流を通して、一郎は忘れかけていた熱い情熱を思い出し…。